こんにちは。ひつじです!
ゴールデンウィークの中日に休みを取ることができたので、1人で乗鞍岳に登ってきました!
ゴールデンウィークの乗鞍岳は残雪期
「乗鞍岳って1時間半で山頂まで行けるんでしょ?」というイメージ、ありますよね。
それは岐阜県側の畳平までバスで行ける夏のルートの話です。
例年ゴールデンウィーク中は、その畳平までの道「乗鞍スカイライン(岐阜県側)」が除雪中のため開通しておらず、登る場合は長野県側の「乗鞍エコーライン」からアクセスすることになります。
ちなみにスカイラインとエコーラインは、除雪が進むと畳平でつながり、どちらもマイカー規制の対象です。自家用車では入れないため、路線バスやシャトルバスを利用する必要があります。
長野側から登って岐阜側に下りる場合は畳平でバスの乗り換えが必要で、便を逃すと大変。あらかじめバスの予約をしておいた方が安心です。
開通時期と春山バスについて
- 乗鞍スカイライン(岐阜県側)…5月15日〜10月31日
- 乗鞍エコーライン(長野県側)…7月1日〜10月31日
ゴールデンウィークから6月末までは、長野県側から「春山バス」が運行されています。雪解けにあわせて徐々に上まで通行できるようになり、最終的には肩の小屋口まで運行されます。スキーやスノーボードを担いだ人、雪の回廊を楽しみに来る観光客も多いです。
その年の積雪量によって除雪の進み具合が変わるため、事前にアルピコ交通のサイトで確認しておくのがおすすめです。
2025年からは春山バスが予約制になっていますが、満席になっても追加で増便される仕組みなので、あまり焦らなくても大丈夫そうです。
1日目:関西から乗鞍高原へ移動
自宅のある関西から、乗鞍高原までは車でおよそ5時間。初日は移動だけと決めて、朝9時ごろに出発。途中休憩をはさみつつ、ペンションには16時ごろ到着しました。
天気予報を見ると、最初に予約していた登山日は雨の予報だったため、宿の方にお願いして1日ずらしてもらうことに。
乗鞍高原エリアには同じようなペンションが何軒もあり、春のこの時期はお客さんも少ないようで、予約はそこまで混んではいません。
宿に着いてからは近くを散歩するか、温泉でのんびりするか、という感じ。
少し物足りないようにも感じましたが、日常から離れた静かな時間はそれだけで贅沢でもありました。
食料の確保は早めに!
このあたりにはコンビニやスーパーがありません。
今回は、高速を降りたところのコンビニで登山用の行動食などを買っておいて正解でした。
登山口に近づくほどお店がなくなるので、必要なものは早めに調達しておくのがおすすめです。
白濁の温泉を満喫
ペンションの温泉は、湯の花が舞う白濁した硫黄泉。
貸切状態でゆっくり浸かることができ、体の芯から温まりました。硫黄の香りがほんのり体に残って、それがまた心地よかったです。
関西では硫黄泉に出会うことはあまりないので、九州出身の私にとってはちょっと懐かしい気持ちにもなりました。
「硫黄の温泉が好きなんです」と話すと、ペンションのおかみさんが「草津温泉もいいですよ」と教えてくださり、いつか行ってみたいなと思いました。
2日目:朝の散歩で水芭蕉と出会う
ペンションに置いてあったパンフレットで「今、水芭蕉が見頃です」とあったので、登山前に早起きして散歩へ。


宿の近くにある「宮の原水芭蕉群生地」は、こぢんまりとした里山の溜池のような場所でしたが、水芭蕉が美しく咲いていて、周囲には桜や水仙も。


関西ではすっかり終わっていた春を、もう一度味わうことができました。
時間があれば「一ノ瀬」まで行くと、池越しに乗鞍岳を眺められるそうですが、今回は登山を優先するため断念。
春山バスで登山口・位ケ原山荘へ
朝食を済ませて、乗鞍観光センターから春山バスに乗車。
スキーやスノーボードを担いだ方が7割、残り3割が登山者という雰囲気でした。スキーヤーの中にも山頂まで行く人が多く、装備を担いで登る姿にはいつも感心させられます。
この日の春山バスの終点は「位ケ原山荘」。
山荘前には簡易トイレが3基あり、清潔で匂いも気になりませんでした。

ゆっくりマイペースな雪山登山
この日は雪がしっかり残っていたため、登山口からアイゼンを装着しての登山でした。

久しぶりの冬靴とアイゼンで、重さも加わってじわじわと体力を消耗します。
私はスーパースロー登山スタイルで、息を切らさず、汗もかかないように、景色を楽しみながらゆっくりと歩いていきます。ほかの登山者に追い抜かれても、気にせずマイペース。
それでも肩の小屋から山頂までの登りはかなりの急坂で、雪と装備の重みで足取りは重くなります。
5月の乗鞍岳は、しっかりとした雪山装備が必要だと実感しました。
山頂は360度の絶景!
登頂したのは13時半ごろ。

この日は快晴で、山頂からは360度の大パノラマ。まさに、日常のあれこれから解き放たれるような景色が広がっていました。


早い人なら2時間ほどで登れる道のりですが、私は4時間ほどかけてゆっくりと登頂。
もっとゆっくり山頂にいたかったのですが、帰りのバスまで1時間半しかなく、そそくさと下山を開始。
下りは早く、ところどころお尻で滑りながら、1時間ほどで位ケ原山荘に戻ってきました。
おわりに:下山後の温泉と山菜そば
下山後は、乗鞍観光センターの向かいにある「湯けむり館」で温泉へ。
館内は広く、乳白色のお湯が下山後の体をやさしく包んでくれます。ペンションの温泉のほうが硫黄の香りは強かったですが、立地も便利で、下山後にすぐ入れるのはありがたいです。
▶︎ 乗鞍高原 湯けむり館
お腹も空いてきたので、近くのドライブインで山菜そばを食べて小腹を満たしました。
本当は「合掌」や「中之屋」などの地元の蕎麦屋さんでゆっくり食事をしたかったのですが、どちらも昼過ぎには閉まってしまうようで、今回は間に合いませんでした。
帰りの運転はさすがに少ししんどかったですが、天候にも恵まれて最高の登山になりました。
今度はもっとゆっくり、乗鞍岳を眺めながら、花や景色を楽しむ旅として訪れてみたいと思います。
何かあればお気軽にどうぞ!