こんにちは!ひつじです。
今日は本の紹介です!
現代人は常に疲れている?

学校や職場の人間関係で疲れること、ありますよね。
苦手な人、嫌いな人と関わらないといけない時は特に辛いです。
そして実は、実際に関わっている時よりも、仕事に行く前や、会議の前の方がより憂鬱になったりしないでしょうか。はい、私がそうです。
人間は妄想が好きです。いま現実にないことでも、あの上司にまた詰められるのか、あの人はまた上司にごますりばかりしてる、、などなどと考えてしまいます。帰宅中や休日にもそんなことが頭によぎると、心が休まることができず、疲労は溜まるばかりです。
脳が疲れている——現代人の本当の疲労の正体
実はこうした疲れの正体は「身体」ではなく、「脳=心の疲れ」であることが多いのだそうです。
スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセンも著書『スマホ脳』の中で、現代人の疲れの多くは脳の疲れからくると指摘しています。
下記記事でも『スマホ脳』に触れています。

『反応しない練習』とは
『反応しない練習』(草薙龍瞬 著)は、仏教の智慧を活かして「心の反応」に振り回されずに生きる方法を説いた実践的な本です。著者は仏教僧ですが、その経験をもとに現代人の悩みやストレスに効く考え方を、わかりやすい言葉でまとめています。
仏教と聞くと、宗教か、と少し距離を感じてしまう方もいるかと思いますが、ホリエモンもとある動画で言っていたように、仏教とは多分に哲学に近い考え方です。もちろんお経や仏壇など、宗教だなぁという一面もありますが、それは仏教を広めるために後付けされた装飾でしかないと思います。ブッダの解いた、この世を少しでも楽に生きる知恵を実践的にわかりやすく紹介してくれるのがこの本だと思います。
その中でも私の心に残ったエッセンスだけまとめてみようと思います。多分に私の感想も入っていますが、どうぞお付き合い下さい。
本書はオーディブル対象
ちなみに記事執筆時点では、本書はAmazonのオーディオブック配信サービス「オーディブル」で聴くことができます。
30日の無料体験もあるので、気になった方は試してみてください。
本書のエッセンス3つ
① 承認欲は“気づくだけ”で軽くなる

人間にはさまざまな欲求がありますが、現代の私たちを最も悩ませるのは承認欲です。承認欲は、認められたい(認めてほしい)という欲求です。自分は素晴らしい人だと思われたい、大事にしてもらいたいという欲求になって現れます。InstagramなどのSNSも人間の承認欲をうまく刺激するビジネスモデルですね。
他人の小さなことが目について不満を感じてしまう、他人に期待してしまう、というのも、もっと自分を認めて欲しいという承認欲の現れだったりするようです。
人間には欲があります。それは食欲だったり、睡眠欲であったりするのですが、現代人であれば、少なくとも今の日本であれば大多数の人は生きていける程度には満たされているのではないでしょうか。しかし、承認欲はなかなか自分の思う通りに行く物ではありませんし、他人と比較してしまうと、自分なんかまだまだだと、求めるときりがありません。幼い時だと、親から愛されたいと言った欲求ですし、社会に出ると、後輩が自分より早く出世した、大学の同期は官僚になってバリバリ働いているが、自分はしがないサラリーマンだ、、などなど。
著者はこの尽きることのない承認欲に対して、ただ承認欲がある、と認めることが大事だと説きます。このイライラや、不満の正体は承認欲だな、いま承認欲が満たされていないな、と考えることを繰り返すだけで自然とその承認欲に対する反応は静まっていきます。
家族や会社の上司に自分が認めてもらったとして、それが一体なんなのでしょう。自分という存在はただあるだけで価値があります。自分の価値は自分で決めるしかない。他人の評価はコントロールできませんし、認められたからと言ってその認められた自分は、他人の評価に合わせた自分であり、もはや自分ではないかもしれません。承認欲とは、人間だけがもつ結構くだらない欲なのかもしれません。
② 感情に“ラベル”を貼るだけで、心は整う
怒りを感じた時、不安を感じた時に、
「いま自分は、怒っているな」「不安になっているな」と言葉で表現して、感情にラベルを張ることです。先の承認欲を認める、というのもこれですね。なんだそんな事かと思うかもしれませんが、例えばここに、砂糖と塩がそれぞれ小瓶に入っていたとします。そこになんの表示もなければどちらが砂糖で、どちらが塩かわかりません。しかしその瓶にラベルを貼ると、たちどころにどちらが砂糖でどちらが塩か明確になります。料理もスムーズに進みます。
そうやって、心に浮かんだ感情や思考を、言葉で“ラベル”を貼るように見つめて整理する事ことが第一歩です。
ラベリングとは、無意識の反応に飲み込まれず、自分の心を客観視するための訓練です。名前をつけることで距離が生まれ、それだけで心は不思議と少し静まります。
何度も何度も同じ妄想が思い浮かぶ時はこのラベリングをしておくと、あ、またあのことを考えてるなと思うことがあります。その妄想はラベルを貼って収納しておきましょう。妄想してはいけない、と思うのでもなく、ただ、今妄想してるな、と気づくだけで効果があります。
自分の感情にラベルを貼り、少し距離をとって客観的に眺めるのです。そうすることで少しずつ執着を手放すことができ、日常にほんの少し余白が生まれると思います。
③ 判断に気づいて、手放す
人はよく、判断をしてしまいがちです。自分の人生の良し悪し、他人の良し悪し、こうするべき、こうあるべき、というのも判断です。判断すると、わかった気になれます。あの人があんなことを言っていたんだけど、間違ってるよね、など友人に相談を持ちかけるのは、自分の判断が正しい、と認められたい、承認欲を満たされたいとして現れる行動です。一旦はそれで気持ちが整理されて、気持ちの良いことなのです。ただし時に判断は猛毒にもなり得ます。それは間違った判断に執着し過ぎることです。
自分の人生はこうあるべきだ、あの人は間違っている、許せないなど、自分の考え、判断に執着することは悩みの種、人間関係のトラブルになります。
そんなときもラベリングです。あ、今判断した、と気づくだけで、だんだんと無駄な判断をしないようになります。判断するな、というわけではありません。それは仕方のないことです。ただ判断したと気づいて距離を取るだけでいいのです。毎日でなくてもいい、気づいた時にラベルをはってやればいいのです。
まとめ
人間、生きていると、テレビのCMや、SNS、周りの人間関係に反応ばかりしていますよね。生きてるって反応することなんじゃないかな、と思うこともあります。これ食べたい、あれが欲しい、あの人素敵だな、もっと認められたい。人は反応しないと生きていけません。承認欲もある一定の程度であれば、目的を達成する重要なモチベーションにもなるでしょう。反応しないなんてできる物ではありません。
ただ、この筆者が言っていることは、自分を悩ませるような無駄な反応をしない、ということです。承認欲が良いモチベーションになっている人には仏教的な考えは必要ないかもしれません。ただし、長い人生、思うがままに進む人の方が少ないです。そんな人に手を差し伸べてくれるのが仏教的な考え方だと思います。承認欲が満たされないことで、自分を苦しめることはありません。ただ、承認欲はあるな、とラベリングするだけで良いのです。
無駄な反応はしない、無駄な判断はしない、自分の心の動きに注目して、ラベリングをする練習を日々行うことで、だんだんと心穏やかな日々が送れるようになるのでは、と教えてくれた本でした。
このあたりの考えはマインドフルネスにも通じています。妻が資格を取っていますので、興味のある方は読んでみてください。

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