こんにちは。ひつじです。
カササギと七夕伝説の関係が知りたい!
カササギが、百人一首で霜と一緒に詠まれているのは何故?
きょうはカササギという鳥のはなしです。
カササギという鳥について
突然ですがカササギという鳥をご存じでしょうか。
青い羽が素敵な鳥で、「カチカチ」という鳴き声から、またの名をカチガラスといいます。
下記の素敵な写真は「目に見えるいきもの図鑑」のカササギのページから引用させていただきました。
https://orbis-pictus.jp/article/kasasagi.php
一昨年の正月元旦の朝、実家に帰省中だった私は庭に出て作業をしていたところ、見たことのない白黒の鳥がふぁーっと飛んできて、電柱にとまりました。(アイキャッチの遠すぎる写真です)
これが件のカササギでした。
カササギの生息地
日本ではカササギは九州から北海道までポツポツと生息域が確認されていますが、主に佐賀県を中心に生息が確認されており、佐賀の県鳥に定められていています。
https://www.pref.saga.lg.jp/kiji0031353/index.html
世界では中国、韓国、ヨーロッパに至るまで広く分布しています。
韓国の国鳥もカササギで、幸運を呼ぶ鳥とされています。
また、中国では「喜鵲」と書かれるそうですが、こちらも縁起の良い鳥とされています。昔の鳥と書いてカササギと読むんですね。
縁起がよいとされる理由
日本では、カササギの鳴き声が「勝ち勝ち」と聞きなされることから縁起がよいとされています。調べてみると、なんだか正月元旦の朝にこんな鳥に出会えたなんて縁起がよかったんだなあと思えてきました。
七夕伝説とカササギ
実は七夕に関係がある鳥なんです。
カササギを詠んだ歌
カササギといえば、百人一首、中納言家持の歌、
「かささぎの わたせる橋におく霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける」
こちらが有名ですね。
実は私、この歌のカササギとはシラサギのようなものだと勝手に思っておりました。だって白い鳥といえば、シラサギ、、
そしてこのカササギはサギではなく、スズメ目カラス科であり、カラスの仲間だそうです。確かに、色の違いを除けばカラスにそっくり。
そういえば、「かささぎの〜」の歌、なんで羽の一部が白いだけのカササギが詠まれるのだろうと疑問に思い、百人一首の解説「田辺聖子の小倉百人一首」を読み直してみました。
かささぎの〜の歌は、Amazonの試し読みで見られますよ!
白くないカササギが詠まれた理由
この本によると、家持の歌にあるカササギは中国の七夕伝説にちなむものだそうです。
七月七日、一年に一度、織姫と彦星が天の川を渡って会う日、その時に羽を並べて橋を作るのがカササギなのだそうです。
漢字で「昔の鳥」と書くカササギですが、七夕伝説を知り、その漢字の成り立ちにも納得です。
家持は冬の夜空に煌めく星を見て、七夕の空を思い出し、カササギが架ける橋と真っ白い霜の降りたしんしんと冷える橋が一緒だなぁと感心したのでしょうか。
伝統的な七夕は、実は8月!
今年(2023年)の7月7日は、あまりすっきりしない天気でした。
しかし、天の川が最も見やすくなるのは旧暦の七夕の頃で、国立天文台は伝統的七夕と呼んでいるようです。
国立天文台のHPの記載によると、下記の通り毎年違う日にちのようで、2024年は8月10日が伝統的七夕です。
https://www.nao.ac.jp/faq/a0310.html
7月7日に天の川が見えなくても、もしかしたら伝統的七夕に織姫と彦星は会えているかもしれませんね。
七夕に天の川を見上げるときは、かささぎの橋のお話を思い出してみてください。
それではまた。
何かあればお気軽にどうぞ!